remon tea 2006/06/27 (Tue)

私はひたすら磨く。
そこのカビも。ヌメリも。ぎとぎとにからまった髪の毛たちも。
ぜんぶ排除して排除して排除して。
ゴシゴシゴシゴシ。
私はひたすら磨くんだ！！

外の日差しが気持ちいい季節に風呂場で一人格闘する。
ただひたすらに綺麗になることだけをめざして。
爽やかでざっくりとした優しいロックが流れ出す。
意味なんかわからないけど、なにもできない私の中をそれは
ゴシゴシゴシゴシ磨き続ける。
まるで私と同じように。

どうしたらいいのか。
まえに進めるのか。
このままじゃだめなことはわかってるんだ。
そんなくだらなくどうしようもない考えはどこかに置いてきたみたい。
突進するようにカビと格闘する。
磨けば磨くだけ光っていく白。
ズボンもＴシャツもずぶぬれだけど、そんなのぜんぜん気にならない。
こんなに夢中になったのはいつぶりだろう。
いつも開けない風呂場の奥に少し感謝をしたいくらい。

１曲１曲表情を変えるステレオの中の彼女と一緒に最後のシャワーをぶっかける。
気持ちいいくらいに流れ出すヨゴレたち。
さよなら私。
君らはまたいつかここに積もってやってくるんでしょ？
そしたらまた排除するまでだ。
おはよう私。
汚れた足を洗い流して。
やかんにお湯をたっぷり沸かして。
キンキンに冷やしたレモンティーを飲もう。
氷がカラカラなる夏の午後。
カーテンをあければ新しい空。
彼女はまだ歌ってる。
まだ私と一緒にいる。
そうやってずっと私は誰かと一緒にいるんだ。

試し書き 2006/06/19 (Mon)

ぬぉ